

――マーティさんが音楽業界に入るきっかけは何でしたか?
「キッスのライブを観に行ったときに、あまりにも衝撃的すぎて、次の日に“コレしかない!ロックしかない”って決意して、ギターを買いに行ったことがきっかけだったね。だから、あの日から音楽業界に入ったって言えるかもしれないですね」
――で、ギターの練習をして?
「練習はあんまりしなかったね。ある程度できるようになったら、バンドをすぐに結成しました。だから、練習よりも実際の経験から覚えていったことの方が多いですよ」
――そのバンドは、レコード会社と契約できたんですか?
「いやいや。レコード会社は、そのバンドには全然興味もってくれなかったです。まだ14才くらいのときだったし。レコード会社と契約したのは、ヴィクセンってバンドにいたときでしたね。ハワイに住んでいたんですけど、デモテープをレコード会社に送ったら、それを聴いて気に入ってくれたんですよ。デモは何曲もつくってたね。で、インディーだったけど、一応曲を出しました。でも、お金がなかったから、デモ曲がそのままレコードになっちゃった。全然売れなかったですけどね」

――デモは、ご自身でつくったんですか?
「そう。完全に自腹ですね」
――なるほど。そうやって道を切り開いたんですね。
「最初のレコードはすごくショボかったんですけど、でも出せるということだけで嬉しかったし、達成感があった。だから、たまには自腹も必要です(笑)。だって、ほかの誰も払ってくれないでしょ」
――他の人に聴いてもらうためには、そういう努力も必要だ、と?
「チョー必要。だから、デモをつくるときは、スタジオに入る前にすごく準備したね。限られた予算だったから、できるだけ早く片付けられるように、いいものができるようにね」
――WEB版イカ天の元になっているテレビ番組は、もちろん観てないですよね?1989年から'90年頃に放送されていたんで、ちょうどマーティさんがカコフォニーに在籍していた頃なんすけど。
「そうですね。観てなかったですよ。だから、“イカ天”って言葉を聞いて、最初は食べ物の感じがしました(笑)」
――では、審査員の依頼がきたとき、すぐに引き受けようと思いましたか?
「やってみようと思いましたよ。もし次のスーパースターとか、次の良いアーティストを発見するためだったら嬉しいな、って思いましたね」
――アメリカには、このようなオーディション番組や企画はあるんですか?
「「アメリカン・アイドル」っていう、有名な番組があります。アメリカで一番有名な番組は、正にそのオーディション番組だと言っていいくらいですね。すごく人気がある。で、ボクは、実は大嫌いです(笑)。何でかって言うと、別にいいアーティストを探しているわけじゃなくて、次のマライア・キャリーとか次のセリーヌ・ディオンを探しているだけだから。もしくは、それの男性ヴァーションね。しかも、そこに出ている審査員は、悪口ばっかり言うんですよ。それは結局その人のためになるのかもしれないけど、基本的に意地悪なんですよ。意地悪精神でやってる。だから、とても観づらい」

――なるほど。
「ボクは、日本のいろいろな番組に審査員として出ましたけど、そんなに意地悪じゃないですよね。審査員のコメントに、そういう精神がない。もちろん、そういった意地悪なコメントは、本人のためになるかもしれないですけどね。実際、視聴者もテレビを観ながらそういうことを言っているかもしれないし(笑)。でも、僕はそういうのを観たくない。それに音楽も、日本の方が僕のテイストに合ってる。J-POPが好きだから。で、日本のオーディション番組では、次のAYU、次に流行りそうな誰かを探していないと思うね」
――「アメリカン・アイドル」がやっているようにステレオタイプなイメージのアーティストを探すのではなく、オリジナリティーのあるアーティストを探したいですか?
「いや。オリジナリティーは前提じゃなくていいですよ。僕が聴いたときに気持ちいいと感じられるものであればOKです。聴いたら嬉しくなる、聴いたら鳥肌がたつ、それでいい。だって、素晴しい歌手って、歌ってくれれば、それだけで鳥肌がたったり、涙が出るじゃん。例えば、BEGINさんにも、さだまさしさんにも、そういうコントロールがあるじゃないですか。だから、他の人にだってそういう力があるはずなんですよ。だから、僕がそういう人を発見できたら嬉しい」
――マーティさんにとって一番大切なのは、人の心を動かす要素があるかないか、ということなんですね?
「そうです。だから、別に特定のアーティストを探しているわけじゃないです。何でもいい。とにかく“見せてよ”っていうことなんです」





















