

——千秋さんは、デビューのきっかけがオーディション番組だったそうですね。それには、ご自分で応募されたんですか?
「はい。私は、いつか絶対プロになるぞって思っていたんだけど、どうやってプロになるのか分からなかった。それで、そのまま普通に生きていれば絶対になれるって思いながら、気付いたら短大を卒業して、OLになろうとしていたんです」
——そうだったんですか。
「だから、就職活動で履歴書を書きながら、“私はOLになりそうだ、おかしいな”って思ってたんだけど、そんな時にたまたまテレビでオーディションの応募を見て、“受けなきゃ”って思ったんです」
——そういったオーディション番組で、デビューへの扉が開かれているのは、良いことですね。
「絶対プロになるとか、絶対なりたいと思っている人は、自分からアクションを起こさないとダメだと思う。ボケっとしていたら、どれだけ実力があっても、どれだけ才能あっても、みすみす見逃しちゃうから。結局、私もあのとき受けなければOLになっていたので、本当に偶然なことだったけど、こうしたきっかけは絶対に必要だと思います」

——なるほど。
「こういうチャンスは大いに活かすべきだと思うし、受かる人は受かるべくして受かるんだと思う」
——テレビでイカ天が放送されていたときは、ご覧になっていましたか?
「はい」
——どういう視点でご覧になっていましたか?
「“私もいつか出る!”と思って観ていたので、傾向と対策でしたね」
——面白いですね(笑)。こういうバンドが良いのか、って見ていたということですか?
「こんなバンドでも受かるんだとか、これくらいしないと受からないんだとか。歌や演奏力だけじゃなくて、個性とか癖、カリスマ性とかセンスとか、そういう部分を見てました」
——では、当時のイカ天から出てきたバンドで、一番印象に残ってるバンドは誰ですか?
「ジッタリン・ジン。ビジュアルも、演奏も、音も、非常に良かったんだけど、一回目に受かってインタビューされたときに、ボーカルの人(春川玲子さん)が“受かると思ってました”って言ったの」
——自信があった、ってことですかね。
「そう、無表情で。 “スゲー”と思った。それまでは、みんな“びっくりしました”とか言っていたのに、淡々と“受かるに決まってる”みたいなことを言ったので、スゲーって。で、その後勝ち進んでプロになったから、ジッタリン・ジンは本当に実力も個性も持っていたと思う。あとは、スイマーズとか。“新しい”って思った。“コレがあったか”と思った」
——エンターテインメント的な部分で、ですか?
「そこも見ました。凄く上手いバンドとか、硬派なバンドとか、カブキロックスみたいなバンドがそれぞれの個性を出している中、夏になったら誰でもやってる格好で出てきて、“それでもバンドか!”って思った。で、演奏も意外に上手かったりとかして。その、彼らのパンクな感じの発想とかが参考になったっていうか。意外性かな」
——音楽業界にいるバンドにはない切り口でしたよね。
「うん。しかも、ただ海パンで出オチってだけじゃなくて、他のことも全部伴っていたから。奇抜なだけじゃなかった」
——では、結構じっくりご覧になっていたんですね。
「そうですね。チカンの歌(たちくらみ「チカンに会いたい」)とかも覚えてます。可愛くない太った女の子達が三人で出てきて、淡々とチカンの歌を歌って、バカにしてんのか、本気でやってんのか分かんない。それがずっと耳に残っていて、チカンのニュースや話題が出ると、今でもすぐその歌を思い出しちゃう(笑)。不謹慎だなと思いながら」

——ハハハ(笑)。今回、イカ天のWEB版が誕生することについては、どう思いましたか?
「“素晴らしい、やったー”って思った。でも、ずっと終わらないでやっていても良かったのに」
——そのくらい思い入れがあったんですね?
「はい。いつの世界にもバンドはいるし、なくしちゃいけない番組だと思うので。だから、嬉しい」
——では、審査員のオファーにも、すぐOKが出ましたか?
「やるっていうか、イカ天は私の青春だったので、それに関わりたい一心だった。できれば、出場者として出たいくらい。だから、審査員になるなんて思ってもみなかった。“イカ天=私が出る”ってことだったので、“え、審査? 先生の立場か”って思って。私に審査員が務まるのか?、ホントに(笑)」





















