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いかすバンド天国 ON WEB 2008IKA-TEN
リレーインタビュー
「サディスティック・ミカ・バンド、レベッカのプロデュースから野猿、おニャン子の作編曲までこなす天才ベーシスト後藤次利降臨!」
インタビュー動画はこちらから

――“イカ天(三宅裕司のいかすバンド天国)”は、約20年前の番組になりますね。後藤さんは、当時ご覧になっていましたか?

「見ていましたよ。知り合いがけっこう審査員やっていましたからね。斎藤(斎藤ノブ)さんとか、ポンタ(村上秀一)さんとかね」

――今回WEB版のイカ天が誕生するという話を聞いて、どう感じましたか?

「“あ!イカ天やるんだ”って感じでしたね。いいんじゃないですか、バンドのオーディション的で」

――では、審査員のお話がきた時は、すぐに受けようと思いましたか?

「ええ。僕は若いバンドと接する機会もないですし、彼らが自分の曲を広める機会ができるのも良いことですからね」

後藤次利

――後藤さんが、プロとして音楽活動をしようと思ったきっかけは何だったんでしょう?

「僕の場合は、バンドとは違って一人のベーシストですから、好きでやっているうちに誰かのバッキングとかもやって、そこそこ弾けたから、だんだん声をかけられちゃって、って感じでしたね。だから、プロになるって感じじゃなかったですよね」

――なるほど。

「バンドは、個人のプレイヤーよりも、もうちょっとフットワークが重くなりますよね。大変ですよ。個人のプレイヤーだったら、誰かのバックでいけたり、それを機会に仕事がどんどん広がっていったりするんですけど、バンドですと、いろんなライブハウスで地道に活動して誰かに目をつけられるとかしないと、なかなか世に出る手段がない。だから、イカ天のようなオーディションは、(世に出るための)一つの良い方法になると思います」

――そうですね。

「そういえば、僕がそれなりにベースをやっていた頃、ヤマハのオーディションで審査員をやっていたんですけど、その頃に出てきたのが、ラッツ&スター、サザンオールスターズ、カシオペアなんかでした。だから、やっぱりこういうオーディションっていいんじゃないですかね」

――後藤さん個人は、プレイヤーとして自然にこの世界に入ってきたけれど、 バンドをやっているのであれば、こういったオーディションに応募するのも良い方法だ、ということですね。

「そうですね。ただ、一つの方法論ですよ。ライブハウスで活動してだんだん評判を呼んでいく方法もあれば、こういうオーディションに応募する方法もある。でも、東京や大阪にはライブハウスが結構ありますけど、ちょっと離れた場所では、より限定されますし、人の目につくことも少なくなりますよね。だから、日本全国単位で考えると、オーディションはとてもいいんじゃないですかね。良い試みだと思います」

――そういう意味では、こうやってインターネットを使うのは、とても有効なことですよね。

「そうですね。はい」

――後藤さんは、ご自身の活動では、ジャズをベースにしたインストものを、 プロデューサー/作曲家としては、いわゆるJ-POP的なものをやられていますよね。ご自身の中で、そういった音楽活動の切り分けは、どういう風にされていますか?

「切り分けしていませんね。どんなことにでも関心、興味を示すし、どんな依頼に対しても、負けず嫌いなんです。だからバンドの人も、楽器も大事にするし、バンドの中のサウンドも大事にするし、もしかしたら曲に詞をつけることになるかもしれないという部分で、その全部に貪欲に関心を示します。どこかで全部相互関係がありますから、(そういったことは)無駄にならないんです」

――そういった、何にでも興味を持つっていう観点で、今回審査員にも取り組まれるということですね?

「そうですね」

――後藤さんはTUTINOKレーベルをお持ちなので、デモ音源を聴く機会も多いと思います。デモ音源では、どういったポイントを聴かれていますか?

「最近は、いろんな機材が、わりと手を伸ばせば届く金額で手に入るじゃないですか。そうすると、そういうノウハウを持った人が、わりと一聴すると良いデモ音源をつくるんで、それに惑わされることがあるんですけど、そこを聴いちゃダメですね。大事なのは、その中に潜むものですよ」

――なるほど。

「例えば、ものすごく稚拙なデモテープで、ギター一本でもいいんです。若干チューニングが狂っていてもいいんです。そこに潜む何かもっと本質のものを聴くようにしています。アマチュアの方の音源を聴くときは、その中にある本当の声、曲の良さ、うたい文句、そういうものが大事だから、そういう部分を聴くんです」

――今回もそういったポイントを聴きますか?

「そうですね。いいんですよ、多少演奏なんかできなくても」

後藤次利

――今回は動画も一緒に投稿する形になっているんですけど、極端なことを言うと、携帯でとった動画みたいなモノでもOKですか?

「その方がアリなんじゃないですかね。例えば、ないでしょうけど200万かけたPVをつくってきたバンドがいたとしても、携帯動画のバンドが抜くことだってありますよ。もしこれが映像コンテストだったら分かんないですけど。でも、映画だってすごい予算のものを、(低予算のものが)抜くこともありますからね。だからまあ、“本質”ですよ」

――そこにあるスピリットだったり、演奏者の能力だったり、そういったところを見る機会にしたい、と?

「そうですね。だから、応募してくる人も、自分たちにそういうノウハウがなくても、予算がなくても、映像のことは気にしなくていいですよね」

――今まで聴いてきたデモ作品に、アマチュアならではの光る部分を感じたことはありますか?

「ええ。良い意味で言うんですけど、無謀であり、無知である、そういうものはいいですよね。要するに、こうすれば人の心を掴めるとか、売れるとか、ヘンな物差しでつくってこられるよりも、僕の場合は、理解不能なくらいのものを持ってこられた方が嬉しい。それをできるのがアマチュアだと思うし、スゲーなって思うから。もちろん、すぐ商品化できるっていう見方をする人もいるんでしょうけど、偉そうにしている僕ら審査員が理解できないもの、次の時代のもの、そういう音楽を持ってこられた方が良いじゃないですか」

――後藤さんは、当然プロデューサーとして楽曲構成やパターンを理解されていると思うんですけど、そういう観点から見て外れているような音楽の方が面白い、っていうことですね。

「そうですね。審査員といっても、全員の物差しが一緒じゃないと思うんですよ。現に他の方もいらっしゃいますし、もし全員が一つの物差しだったら、審査員は一人でいいですからね。ただ、僕の場合は、そういう物差しで、もしかしたら今出しても理解されないかもしれないけど、僕自身何か感じたものを選びたい、ということです」

――そういったものは、意外にレコード会社の普通のオーディションには集まって来ないかもしれないですね。

「ですよね。他の審査員に“後藤はバカじゃないか?”って言われるかもしれないですけど(笑)、そういう人が来たら面白いと思っています」

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